コンテンツ著作権侵害と聞いたら一般的にコンテンツの違法コピー問題が頭に浮かぶだろう。確かに、今まで生演奏の違法コピー版のレコードからストリーミング・ビデオのファイルの違法ダウンロードまで「コンテンツ海賊」の主流は違法コピーだ。しかし、今後のコンテンツ海賊は人工知能(AI)を使うため、コピーが不要の時代に入るという声が多い。
すでに、そっくりな人物をAIが作成する「ディープ・フェイク」と呼ぶコンテンツが問題となっている。世界的な人気歌手Taylor Swift氏のフェイク写真がSNSにばら撒かれた事件が米議会で話題になるほどだ。しかし、こうしたコンテンツはいたずらから深刻な政治問題を引き起こすまで色々な類いのものがあるが、ディープ・フェイクのコンテンツはコンテンツ海賊がもうける市場になりにくいだろう。
もっと深刻なのは有名なアーティストの作品をAIを使ってあたかもそのアーティストが作成したような「新しい」コンテンツとして流布することだ。例えば「Ghostwriter」と呼ぶ人物がAIを採用しながらDrakeやThe Weekendというアーティストをまねして「Heart on My Sleeve」という曲を作成してネットに流した。
Ghostwriterはこの曲を「Grammys(グラミーズ)」にノミネートした。作曲者に対するノミネートだ。報道によるとTikTokはユニバーサル・ミュージックの作品を流すことを拒否したとされるが、無断でAIが作成するコンテンツを扱うのが一つの理由だという。
これから伸びると思われている仮想現実(VR)市場にもコンテンツ海賊が登場している。報道によると、オランダ反著作権違反団体、BREINは「VRChat」と呼ぶVRアプリ上でコンテンツ海賊が違法行為をしていると2023年11月に明らかにした。
BREINによると、VRアプリ内に違法コピーされたコンテンツがストリーミングされているという。しかし、今後にAIが作成した正式なコンテンツもVR世界に登場する可能性もあるので、コンテンツ海賊がこの新しい市場に興味を持つこともあるだろう。
未来の可能性を示すのは、ロンドンで人気なABBA(アバ)音楽グループのホログラム・ショーだ。このショーはABBAのメンバーが若い頃に演奏している場面と音楽を流す。このショーの人気でロンドン市の経済活動が活発になったとも報道された。
VR市場が発達すると、コンテンツ海賊は許可を得ずにアーティストの画像や音声コンテンツからAIを利用して今までに存在してなかったコンテンツを作成して、流すことができるようになる。コピーが不要なので、違法コピーを止める技術は役に立たない。消費者や反著作権違反団体に分かりやすいかたちで、AIが作成したコンテンツを違法かどうか識別ができる技術を開発すべきだろう。
[ad]文章来源:日本经济新闻
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